精神科医・精神分析家であるカレン・ホーナイの著書「ホーナイ全集」は全7巻あります。
第1巻 女性の心理 カレン・ホーナイ【ホーナイ全集 第1巻】女性の心理まとめ
第2巻 現代の神経症的人格 カレン・ホーナイ【ホーナイ全集 第2巻】現代の神経症的性格まとめ
第3巻 精神分析の新しい道 カレン・ホーナイ【ホーナイ全集 第3巻】精神分析の新しい道まとめ
第4巻 自己分析 カレン・ホーナイ【ホーナイ全集 第4巻】自己分析まとめ
第5巻 心の葛藤 カレン・ホーナイ【ホーナイ全集 第5巻】心の葛藤
第6巻 神経症と人間の成長 カレン・ホーナイ【ホーナイ全集 第6巻】神経症と人間の成長についての考察と名言まとめ
第7巻 精神分析とは何か カレン・ホーナイ【ホーナイ全集 第7巻】精神分析とは何か
「ホーナイ全集 第7巻 精神分析とは何か」は、主に精神分析をうけるというのはどんなことか?分析医は何を行い被分析者は何を体験するのか?について書かれています。
被分析者の立場上、神経症の治療に役立ちそうな内容を8つ抜粋してご紹介したいと思います。
【ホーナイ全集 第7巻 精神分析とは何か】
出版社 : 誠信書房
発売日 : 1976/11/1
ページ数 : 262
内容:6人の精神分析医による10篇から成る論文。ホーナイ個人による著作ではないが3篇までは彼女の作品。
■過去と現在の繋がり、つまり過去の行動パターンがどのようにして、またなぜ現在にも影響を及ぼしているかを患者が自覚すること。
■分析療法で考慮すべきは、年齢でなく神経症の重さと続いてる年数。年をとった人ほど神経症が重くなりその根が深くなる可能性は大きいが、逆に長く生きれば神経症を軽減したり改善させるような体験の可能性も大きくなるし、年が経てば価値ある仕事を成し遂げた満足感も大きくなる。
■神経症患者は、完全に混乱しているのではなくある点に関してだけ混乱している。
■イライラしたり疲れたり眠れないのは、病気そのものではなく個人の人格の中に隠れた障害があるという警報にすぎない。これらの症状を、「自己検討のときがきている」と繰り返し警告してくれる友人なのだと考えるべきである。
■基本的不安「無力感、孤立感、敵意」がパーソナリティの深層にあるかぎり、これらが強迫傾向を持続させるため、内的葛藤を解決することは不可能。→分析で解決する
■症状が消えても人生への対処の仕方は依然変わらないため、その後また人生に困難が生ずると新たな症状が起きる場合もある。
■いつ治療を終えるのかについて
・生活目標を明確にし自分自身の持つ価値をはっきり認識する
・非現実的な理想像を実現しようと努力したり自分を超人的存在だと空想するのをやめて、ありのままの自分を直視し、自分が現実に何になれるかを見極めることに関心を持つ。
・問題解決に努力し続ける意欲を充分にもつ。つまり無力感の克服、責任転嫁を克服、人生がよくなるのも悪くなるのも自分のあり方次第だと自覚する。
■自己分析を続け、日常生活において何か困難が生じた際に行う。無理に解決を求めない。自己憐憫や他人への怒りによって問題を解決するのではなく、困難が生じるたびに自分の成長を妨げている要因を理解し、自分のどこが悪かったか突き止めようと決意・努力する。